士別市温根別の地質2

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 これは士別市温根別南部,温根別川支流のマムシ沢上流の斜長岩の中の黄銅鉱です.写真ではよく見えませんが,斑れい岩や斜長岩の中に時折見られます.温根別はかつて小規模な鉱山や,砂クロム・砂白金・砂金などで有名な場所だったのです.ゴールドラッシュの時期もあり,「山師」が大勢押し寄せたそうです.
 マムシ沢の緑色岩です.ここは車で行けます.川の中の小さな露頭ですが,ハイアロクラスタイトが観察されます.このあたりの河原には,斑れい岩や角閃岩のきれいな転石が多く,歩いていてとても楽しい沢です.層状塩基性分化岩(キュームレイト)という珍しいものや,岩石のページで紹介している「ナゾの緑の石」も,ここで見つけました.石好きの人には魅力のある沢です.お宝ありまっせー!! クマには要注意ね!.
 上の露頭のハイアロクラスタイトです.角礫状の玄武岩が見えます.海台の上部だったものでしょう.ジュラ紀の深海底の火成活動の痕跡を車でヒョイっと見にいくことができる場所なんて,そうそうあるものではありませんよ.
 五線川林道の緑色岩です.枕状溶岩と思われます.海嶺から湧きだしたジュラ紀の海洋プレートそのものでしょう.この付近では,オフィオライトの割には以外と緑色岩の露頭が少なく,多くの玄武岩(緑色岩)は角閃岩に変成されてしまっているようです.
 温根別ダムの蛇紋岩中に貫入した微閃緑岩(細粒の閃緑岩)です.この露頭のような貫入岩は,白亜紀後期の島弧火成活動によるものとされています.
 五線川上流の斑れい岩です.結晶の粒が非常に大きく,ペグマタイト状です.このあたりでは各所に斑れい岩や閃緑岩が見られますが,上の写真のような貫入岩と,海洋プレート下部のキュームレイト(塩基性層状分化岩)があるようです.この写真の斑れい岩が貫入岩なのかキュームレイトの一部なのかどうかは,周囲の状況が不明であるため,わかりません.
 九線沢です.上流は砂金沢と呼ばれ,かつて砂金が取れたということです.この沢は様々な斑れい岩や変斑れい岩が多量にあり,おそらくキュームレイトが源流部にあるものと考えられます.
 五線川林道の酸性凝灰質泥岩とチャートの露頭です.チャートは草の影にあります.空知層群最上部のものか,蝦夷累層群最下部のものかはっきりしません.この地域では両者は整合遷移の関係であるということなので,はっきりしないのは当たり前? 五線川林道の他,ダム対岸の東側の道路沿いでも,100mぐらい珪質泥岩が連続しています.
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