士別市その他の地域の地質

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 士別市武徳の緑色岩です.ため池の横に緑色岩の山があります.これは中生代白亜紀のものでしょうが,海底火山なのか,海洋プレートそのものなのか,「かなり風化した緑色岩の塊」であるためよくわかりません.たぶん海山なんじゃないかなと考えていますが・・・.
 士別市南士別町の,剣淵川です.ここでは新第三紀中新世の地層である「川西層」の泥岩ブロックが川底から打ち上げられています.およそ1000万年前のものです.泥岩の中に多量の植物化石が含まれており,湖沼または三日月湖などの堆積物と思われます.植物化石は士別高校の地学授業で採取しました.生徒の採取した化石の一部は士別市立博物館で展示しています.
 
 士別市学田の,川西層の礫層です.クロスラミナが発達しており,写真の露頭では左から右への古流向が示されています.右下の方向に傾斜しているのがわかりますか?川の地層にはよく見かける構造で,下流側に傾いた地層がつくられています。
 士別市多寄の「多寄層」です.川西層と多寄層は,どちらも河川成堆積物であり,時代によって区分されているのですが,岩相状は区別が困難です.川西層は新第三紀中新世,多寄層は第四紀の地層です.しかし,分布地域も重なっており,連続した露頭も見られず,この二つの地層は見た目で区別することはできません.花粉分析などが必要です.
 名寄市では「鈴石」が天然記念物となっていますが,士別市でも鈴石が産出します.多寄や剣淵川で見つかっていますが,現在は見つからないようです.新第三紀の河川成泥岩中から見つかるようですが,その成因についてはわからないことが多いようです.「核となるものの周囲に褐鉄鉱が付着成長し,その後の部分的溶脱により形成される」というのがおおざっぱな説明ですが・・・・.
 鈴石の他,植物の根に褐鉄鉱が付着成長した「高師小僧」も発見されています.

 これが「高師小僧」です.士別市多寄で見つかったものです.植物の根っ子に褐鉄鉱がくっついていったため,真ん中に穴があいています.枝分かれしているものもあります.見た目には鈴石と雰囲気が似ているため,同じ第三紀の地層から出ると思いきや,第四紀の河川成堆積物から出るそうです.私は産状を見たことがないので,よくわかりませんが.
 多寄で観察される「インボルーション」という構造です.氷河期の時代,このあたりは「周氷河地域」であったらしく,表土が凍結・融解を繰り返し,地層に不規則な構造をつくりあげます.これをインボルーションといいます.

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