第102回 (2017年1月 更新)
剣淵町藤本の美深層(その1)

 このコーナーでは,士別周辺の露頭をピックアップして,その様子を紹介して,その見どころやエピソードをお伝えします.いろいろな場所が登場しますので,皆さんも地質調査をしているつもりで楽しんで下さい.以前のこのコーナーに登場したものを見たい人は,このページの下の方から入って見て下さい.

 道央自動車道の士別剣淵インター付近には、新生代中新世の地層、「美深層」が分布しています。このインター、道路の延長工事の関係で、場所が移動する工事が行われた際に、一時的に美深層の露頭が現れました。当時の携帯電話のカメラで撮影した貴重な画像がありますので紹介します。
 美深層でこれほど大きな露頭は珍しいです。美深層は大部分が未固結(固くなっていないということ)の地層で、このようにむき出しの状態だと風雨でどんどん崩れていってしまいます。工事や採土の時だけ観察できる地層ですね。
 近づきました。あまり層理(縞模様)がはっきりしていなくて,不規則です。全体が茶色っぽい地層の中に、白っぽい地層がはさまれています(中央部)。これは火山灰でできた地層(凝灰岩)です。美深層が堆積した時代(1300万〜800万年前)は、この地方は火山活動が盛んで、溶岩、火山灰、火山性土石流などが見つかっています。

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