第90回 (2011年8月 更新)
士別市温根別のマムシ沢(その2)

 このコーナーでは,士別周辺の露頭をピックアップして,その様子を紹介して,その見どころやエピソードをお伝えします.いろいろな場所が登場しますので,皆さんも地質調査をしているつもりで楽しんで下さい.以前のこのコーナーに登場したものを見たい人は,このページの下の方から入って見て下さい.

 士別市温根別のマムシ沢の続きです。
 川原の岩石を見てみましょう。この写真のように、白黒の縞模様のある岩石がたくさん見つかります。これは「縞状斑れい岩(はんれいがん)」という岩石です。斑れい岩というのは、よく建材として使われている「黒御影」のことですが、この斑れい岩は縞模様があって、黒御影とはちょっと雰囲気がちがいますね。この斑れい岩の縞模様は、地下の非常に深いところにあった玄武岩質のマグマがゆっくり循環する動きの中でつくられるということです。朝日の岩尾内湖の奥の方でも縞状斑れい岩が見つかりますが、やや顔つきが異なっています。
 こんな変な石が見つかりました。白黒ツートンカラーですが、斑れい岩ではないみたいですね。この岩石、黒い部分は泥岩、白い部分は方解石です。マムシ沢に落ちている岩石はほとんどが火成岩や変成岩なのですが、この岩石は堆積岩です。「エゾ層群」という中生代の海底の地層の一部ですが、方解石の部分は新しい時代になってつくられたものでしょう(続く)。

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