第92回 (2013年1月 更新)
士別市温根別の第二マムシ沢(その1)

 このコーナーでは,士別周辺の露頭をピックアップして,その様子を紹介して,その見どころやエピソードをお伝えします.いろいろな場所が登場しますので,皆さんも地質調査をしているつもりで楽しんで下さい.以前のこのコーナーに登場したものを見たい人は,このページの下の方から入って見て下さい.

 士別市温根別の第二マムシ沢を紹介します。この場所を紹介するのは初めてです。マムシ沢は上流に向かって歩いていくと、二股に分かれています。上流に向かって右側(北側)の沢が第二マムシ沢です。
 地形図(国土地理院の電子地図より)を見るとわかるように、マムシ沢も第二マムシ沢も等高線の間隔が広くなっており、非常に平坦で傾斜が緩い沢です。
 ただ、この写真のように、沢に落ちている岩石は大きく、倒れて流された樹木があったりして、スイスイと歩けるというわけではありません。熊も出てきそうな雰囲気がプンプンしますよ。
 
 あ、やっぱり第二マムシ沢にも,マムシ沢と同じように茶色の岩石がたくさんありますよ。ここは有名な「幌加内オフィオライト」のど真ん中の沢ですので、地球の深部をつくっていためずらしい岩石がたくさん見つかるのです。これは蛇紋岩ですね。かつてマントルを作っていたものです。 
 
 やった!ありました!これが有名な「ダンダン石」ですよ!表面がダンダンになっている茶色の石ですが、これまた士別を代表する珍しい岩石です。当サイトの「士別の地質のナゾ」のQ&Aでも説明していますが、この岩石は地下数十キロの深さのマントルでつくられた岩石で、「かんらん岩」と「輝岩」が層状に積み重なっている岩石です。オフィオライトと呼ばれる海洋性の地質体でしか見られないものです。だんだん石は、士別市温根別の白山小学校跡(現公民館)の庭に大きなものが置いてあります。
 
 これも「だんだん石」ですが、白っぽい部分が多いタイプのものです。白っぽい部分はよく見るとうすい黄緑色をしていて、粒々が見えます。実はこの粒々は,「かんらん石(オリビン)」でできているのです。温根別の第二マムシ沢にはこのような岩石が多く見つかり、マムシ沢ではなかなか見つからなかったかんらん岩を見つけることができます。しかも、マムシ沢のかんらん岩はほとんど蛇紋岩化しているものが多いのですが、第二マムシ沢のかんらん岩はキラキラとしていて、フレッシュです(続く)。

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