第96回 (2014年7月 更新)
士別市朝日のみずほ公園(その2)

 このコーナーでは,士別周辺の露頭をピックアップして,その様子を紹介して,その見どころやエピソードをお伝えします.いろいろな場所が登場しますので,皆さんも地質調査をしているつもりで楽しんで下さい.以前のこのコーナーに登場したものを見たい人は,このページの下の方から入って見て下さい.

 士別市朝日のみずほ公園の石灰岩の続きです。
 石灰岩に近づいてよく見てみると,石灰岩の表面が一部こんな風に穴(くぼみ)だらけになっていました。石灰岩が雨水によって少しずつ浸食されたためにできた穴です。石灰岩はもともと珊瑚や貝殻などの炭酸カルシウムからつくられた岩石であり、酸に弱い性質があります。酢をかけたりすると二酸化炭素の泡が出ます。雨水には空気中の二酸化炭素が溶け込んでおり、弱い酸性を示すのが普通です。そのため石灰岩が少しずつ浸食されるのです。
 ハングオーバーしている部分をよく見ると、小さな(数ミリ程度)つららのようなものができていました。石灰岩が水に溶けてふたたび固まってできたものなので、一応ミニ鍾乳石ということになりますね。
 ところでこの石灰岩、石灰山の石灰岩と同様にほとんど化石が見つかりません。もともとの珊瑚や貝殻が溶けてしまっていて、見つけにくくなっているのです。いくつか見つかると時代がわかるんですけどね。予想では多分2億年前くらいかなと思っています。研究者が石灰山で二枚貝の化石などを発見したようですので,もうじきはっきりするでしょう。
 上士別や朝日にどうして石灰岩があるのかということについては、第66回に詳しい解説がありますのでそちらをご覧下さい。

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