第 71 回
士別市朝日町八線の日高累層群(その5)

 このコーナーでは,士別周辺の露頭をピックアップして,その様子を紹介して,その見どころやエピソードをお伝えします.いろいろな場所が登場しますので,皆さんも地質調査をしているつもりで楽しんで下さい.以前のこのコーナーに登場したものを見たい人は,このページの下の方から入って見て下さい.

 士別市朝日町八線の日高累層群の第4弾です。中生代の付加体堆積物の大きな露頭です。
 露頭中央部の上の方を見てみましょう。黒い泥岩層の上に,丸い大きな礫がたくさんのっています。これはどうしてできたのでしょうか。ふだん,丸い礫というものは,川で見かけるものですが・・・。
 実はこれ,「不整合」という構造なんです。今は,不整合は学校では勉強していないので,若い世代の人達は知らないと思いますが,10年以上前に中学生だった人は勉強したはずですね。難しく言うと「不連続面」ということですが・・・。
 この露頭の歴史を説明すると,中生代の黒色泥岩の地層が地殻変動によって地表に現れて,ごく最近(数万年前?)に,昔の天塩川によって削られ,その堆積物が中生代の黒い泥岩の上にのっているのです。地層というのは連続的にできるものですが,この露頭の下の方にある黒い泥岩層(中生代)と,上の方にある礫岩層(新生代第四紀)との間には,なんと1億年くらいの時代的なギャップがあるということなんですね。(つづく)

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