第 72 回
士別市朝日町八線の日高累層群(その6)

 このコーナーでは,士別周辺の露頭をピックアップして,その様子を紹介して,その見どころやエピソードをお伝えします.いろいろな場所が登場しますので,皆さんも地質調査をしているつもりで楽しんで下さい.以前のこのコーナーに登場したものを見たい人は,このページの下の方から入って見て下さい.

 士別市朝日町八線の日高累層群の第4弾です。中生代の付加体堆積物の大きな露頭です。
 露頭の最上部の様子です。礫岩層の上にのっている,砂岩層と泥岩層です。地層のしま模様が見えていますね。この砂岩層と泥岩層も,前回紹介した礫岩層と同じで,昔の天塩川の堆積物です。川の堆積物というのは,河道(水の流れているところ)の部分では大きな礫ばかりが堆積していますが,中州や河道の外側の「出っ張り(ポイントバーという)」の部分では,礫だけではなく砂も堆積しています。また,洪水の時には自然堤防の外側に多量の泥水があふれ出して,泥の層ができます。この露頭の最上部の礫岩層・砂岩層・泥岩層はそのようにして作られた,昔の天塩川によって作られた地層で,その下にあった日高累層群よりもずっと新しい地層です。
 さて,6回にわたり,朝日町八線の大きな露頭を紹介してきました。次回は,ちょっとこの露頭との関連で,以前紹介した同じ朝日町八線の貝化石の出る露頭に再び登場してもらいます。

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