第 75 回
士別市朝日町八線の奥士別層(その3)

 このコーナーでは,士別周辺の露頭をピックアップして,その様子を紹介して,その見どころやエピソードをお伝えします.いろいろな場所が登場しますので,皆さんも地質調査をしているつもりで楽しんで下さい.以前のこのコーナーに登場したものを見たい人は,このページの下の方から入って見て下さい.

 士別市朝日町八線の奥士別層の露頭です。今日は「不整合面」のできかたについて,朝日町の地質を例にして説明してみましょう。
(1) まず,中生代白亜紀に,海溝の近くの深海底で日高累層群(主に泥)が堆積して,ぶ厚い地層がつくられていきます。その後の地殻変動によって地層はぐにゃぐにゃと大きく変形して,深海底にあった地層は地表に上がってきました。
(2) 次に,新生代新第三紀中新世の1500万年ほど前,地球温暖化によって海が広がり,朝日のあたりも海になりました。そのとき,周囲の大地は日高累層群でできており,海によって大地が削られるとともに,奥士別層という海の地層が堆積していきました。
(3) その後も地殻変動があり,奥士別層も変形しました。そして最後に天塩川によって地表が削られました。上の図の太い直線がそのときの不整合面ということになり,そのうえに礫や砂が堆積したのです。つまり,天塩川の地層は,「日高累層群」と「奥士別層」の上に,同時に堆積したということになります。(つづく)

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