第 76 回
士別市朝日町八線の奥士別層(その4)

 このコーナーでは,士別周辺の露頭をピックアップして,その様子を紹介して,その見どころやエピソードをお伝えします.いろいろな場所が登場しますので,皆さんも地質調査をしているつもりで楽しんで下さい.以前のこのコーナーに登場したものを見たい人は,このページの下の方から入って見て下さい.

 士別市朝日町八線の奥士別層の露頭です。天塩川沿いの露頭の,国道をはさんで反対側(山側)にある露頭でしたね。
 露頭の下には大きな丸い礫がたくさん落ちています。これは,露頭の上の方の天塩川堆積物の礫ですね。
 落ちている礫をハンマーで割ってみました。とても硬い礫です。愛用の化石ハンマーでもなかなか割れませんでした。ちなみにこのハンマー,19才の時から使っています(地学をやっている人達はハンマーを大切にします)。
 やっと割ってみると,礫の正体は花崗岩でした。マグマが地下深くでゆっくりと固まった岩石,というように中学校でも学んでいます。上士別や朝日には花崗岩が非常に多いのですが,これはだいたい2000万年くらいにマグマが固まったものといわれています。このあたりの話は第7回でもお話しましたね。地下深くでの「日高火成活動」の産物です。2000万年前にマグマが発生して,ゆっくり固まって花崗岩ができてから地殻変動で持ち上げられてから河川によって削られて運ばれた・・・,ということがわかります。

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