石 灰 岩
Limestone
士別市上士別の石灰岩 | 同 実体顕微鏡像. 丸いのはウーライト(1mm前後) |
同 顕微鏡像. |
士別市上士別 石灰山
中生代三畳紀?
石灰岩はサンゴ礁などを起源とした岩石で,炭酸カルシウムが固まったものです.暖かい海の島に付着成長したサンゴ礁が海洋プレートの動きとともに移動し,海溝付近で海山が沈み込みきれずに付加したメランジであると考えられます.上士別の石灰山や朝日町にはこのような成因を持つ石灰岩体があります.三畳紀の化石が入っているらしく,周囲の地層よりはかなり古い時代が示されます.こうした時代のズレも,メランジの特徴です.しかし,日高累層群を乗せていた海洋プレートは,そんなに古くからあるものではなく,なぜこんなに古い年代のものが取り込まれているのかという問題について,明確な答えは得られていません.さらに古い時代のメランジの再堆積という解釈もあるようですが・・・・.
右の写真は石灰岩を磨いたものですが,1mm程度の小球がたくさん入っています.これは「ウーライト」と呼ばれるもので,波打ち際で,サンゴ起源の石灰質の泥が,浅い海底を転がされてできたものです.小さな雪だるまのようなものですね.石灰岩はセメントの原料になり,現在休山中の上士別の石灰山も,もうじき再び採掘が始まるそうです.