黒色頁岩
Black shale
剣淵町刈分川の黒色頁岩 (薄い層がたくさん見えます) |
同 薄片写真 |
同 黄鉄鉱の結晶 |
剣淵町刈分川
中生代白亜紀
黒色頁岩は,薄層が積み重なった黒色の泥岩であり,板状に割れる岩石です.「硯(すずり)」の材料としても使われています.黒色であるのは炭化物が多い場合と,深海底などの還元性(酸素が少ない)の環境で形成された場合がありますが,剣淵町刈分川の黒色頁岩は後者です.ここでは砂と泥が交互に堆積した地層が観察され,泥ばかりのところもあります.近くにメランジもあることから,海溝の付加体上に形成された「タービダイト」と思われます.タービダイトとは,砂・泥・礫などが海水と一緒に混濁流となって海底の斜面を下って堆積した地層のことです.顕微鏡で見ると小さな黄鉄鉱が無数に観察されます.これは酸素の少ない堆積環境を示しているのでしょう.