さてみなさん、2001年に始まったこの露頭探検隊のコーナーも、ついに記念すべき第100回目を迎えました。更新の周期に非常にムラがあり、続けて見ていただけない状況にありますが、マイペースでやらせていただいています。限られた地域の中で、また現在は士別市を離れて暮らしている状況の中で,どのくらい続けていけるかわかりませんが、これからもよろしくお願いいたします。
第100回ということで、内容的にもスペシャルなものにしたいところですが、淡々と(少し情報量を多めに)進めさせていただきたいと思います。元旦にめでたく第100回として新しい露頭を紹介することにしました。
さて、第100回は士別市朝日町岩尾内湖のサックル林道を紹介します。ここは2004年にも紹介しました。 |
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士別市街から国道を東進して岩尾内湖に出てからキャンプ場に行く手前に沢沿いの道が左手にあります。これがサックル林道です。元は森林鉄道が走っていた道で、現在もその名残が所々にあります(士別市立博物館 義家特別学芸員による)。 |
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林道からはすぐに川原(サックル川)に降りることができます。この川原にもたくさんの岩石がありますが、ほとんどが斑れい岩です。 |
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縞模様が特徴的な硬い岩石がたくさん見つかります。縞状斑れい岩です。この岩石は、地下深いところでマグマがゆっくり動く中で、輝石と斜長石が分かれて縞模様をつくったもので、「キュームレイト」と呼ばれるものです。シマシマ模様のはんれい岩というのは、実は大変に珍しい岩石なんです。 |
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この黒っぽい硬い岩石は、かんらん石と斜長石でできた斑れい岩で、「トロクトライト」といいます。見た目は地味な黒っぽい岩石ですが、地下深いところでしかできない大変に非常に珍しい岩石です。この地域の他では、日高山脈周辺で見つかる岩石です。この地域は、日高山脈の北方延長部なのです。 |
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トロクトライトの薄片です(特別学芸員:石井彰洋さん作成)。クロスニコル(下)観察で色のついた鉱物はかんらん石です。 |