第80回 (2010年7月25日 更新)
士別市上士別の石灰山(その3)

 このコーナーでは,士別周辺の露頭をピックアップして,その様子を紹介して,その見どころやエピソードをお伝えします.いろいろな場所が登場しますので,皆さんも地質調査をしているつもりで楽しんで下さい.以前のこのコーナーに登場したものを見たい人は,このページの下の方から入って見て下さい.

 士別市上士別の石灰山(新士別鉱山)の探険の続きです。
 ・・・で、化石探しの成果ですが、「ダメ」でした。大勢で探しても、ないものはないのでしょうかね。写真のように、この石灰山の石灰岩は、ちょっと溶けたような感じになっています。こうなると化石は見つかりません。また、溶けていないものでも、ここの石灰岩はけっこう変成されており、元の生物の形は保存されていないようなのです。なにせ1億年以上も前(2億年前かも?)の生物ですからね。
 でも、化石は見つからなくても、こんな面白いものが見つかりましたよ。四角っぽい形の鉱物が見えますね。これは「方解石」です。石灰岩が溶けてから再結晶したものです。石灰岩はサンゴの殻がもとになっており、その成分は主に炭酸カルシウムです。炭酸カルシウムの結晶はいろいろなものがあるのですが、その一つが方解石です。菱形の独特な形をした鉱物ですね。方解石の大きな透明なものは、透かして見ると、ものが二重に見えることで有名です(続く)。

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