第86回 (2011年8月7日 更新)
剣淵町刈分川の採石場(その1)

 このコーナーでは,士別周辺の露頭をピックアップして,その様子を紹介して,その見どころやエピソードをお伝えします.いろいろな場所が登場しますので,皆さんも地質調査をしているつもりで楽しんで下さい.以前のこのコーナーに登場したものを見たい人は,このページの下の方から入って見て下さい.

 剣淵町刈分川上流(剣淵町東町)の採石場の露頭探険です。2007年6月に博物館の地質巡検で訪れたときの様子を紹介します。前回、上士別の採石場の黄鉄鉱探しのお話をしましたが、剣淵のこの露頭でも同じように黄鉄鉱探しをやりました。
 バスで露頭に向かいます。こちらの山は国道のすぐ脇ですので、山に登るということはありません。すぐに露頭に到着しました。
 さすがに採石場だけあって、巨大な露頭です。まっ黒い岩石の崖がそびえ立ち、崩れた岩石がゴロゴロしています。ここの採石場では、「黒色頁岩」を採取しています。中生代白亜紀の1億年ほど前の深海底に堆積した泥が硬くなってできた岩石です。1億年も地下に閉じ込められていたのに、とてもきれいな岩石です。
 
一面が黒い岩石の巨大な露頭ですが、よく見ると、地層の縞模様が見えます。ハンマーで割ってみると平板状に割れます。海底で泥がゆっくり平らな地層をつくりながら堆積した証拠です。断層もありました。斜面を登りながらゆっくりと地層を観察しました。 
 
 これが露頭の黒色頁岩です。白っぽい縞が見えますね。これは地層です。少し細かく波打っている部分もあり、古代の深海底での水の流れが記録されているのです(続く)。

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