第93回 (2013年5月11日更新)
士別市温根別の第二マムシ沢(その2)

 このコーナーでは,士別周辺の露頭をピックアップして,その様子を紹介して,その見どころやエピソードをお伝えします.いろいろな場所が登場しますので,皆さんも地質調査をしているつもりで楽しんで下さい.以前のこのコーナーに登場したものを見たい人は,このページの下の方から入って見て下さい.

 士別市温根別の第二マムシ沢の続きです。
 写真ではわかりにくいですが、この第二マムシ沢は川底の岩石がゆるい階段状になっているところがたくさんあります。大げさに言えば枝幸町のウスタイベ千畳岩のような形状になっているのですが、なぜ岩石が階段状になっているのでしょうか?

 これが川底の階段を作っている岩石です。ハンマーで割ると薄くはがれるように割れ、薄い層が幾重にも重なっている構造をしている岩石です。これ自体が小さな階段のようにも見えますね。 この岩石は「片状角閃岩(へんじょうかくせんがん)」という岩石で、斑れい岩が変成されて角閃岩に変化するときに、強い圧力を受けてこのような構造を持つようになったものです。この岩石が川底に広く露出しているため、階段状になっているのです。

 
 白っぽい岩石を見つけました。オフィオライト帯では、斑れい岩や角閃岩など、黒っぽい岩石が多いので白っぽい岩石はよく目立ちます。まるで花崗岩のように見えましたので、私はかなり驚きました。このあたりでは花崗岩は見つからないはずだと思っているからです。でも、よく見るとやはり花崗岩ではありませんでした。縞状の斑れい岩です。白っぽい部分は斜長石の多い部分で、白黒の大柄な縞模様の岩石の、白っぽい部分が割れたものでしょう(続く)。

TOP PAGEに戻る


 過去の露頭探検隊を見る