士別市温根別の地質

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 士別市温根別の温根別ダム東岸です.ここでは大規模な蛇紋岩の露頭が観察されます.この蛇紋岩は,幌加内オフィオライトの下部といわれます.
 幌加内オフィオライトは,地域西部の士別市温根別から幌加内町にかけて分布し,犬牛別川上流域では,空知層群のチャート・緑色岩類(枕状溶岩及びハイアロクラスタイト)・玄武岩質凝灰岩・角閃岩(片状及び塊状)・斑れい岩・蛇紋岩・かんらん岩等が観察され,これらにドレライト・微閃緑岩等の岩脈が貫いています.

 上の写真の露頭の下の方にある蛇紋岩の露頭です.温根別の蛇紋岩は黒色でしっかりしたものが多く,「塊状蛇紋岩」と呼ばれています.かつてのマントルを構成していたかんらん岩が蛇紋岩に変化したものであるといわれています.
 幌加内オフィオライトは,ジュラ紀に南洋で海洋プレート内の火成活動が起き,「空知海台」が生じ,それが海洋プレートとともに北上し,白亜紀初期に海溝の陸側に接合してしまったものと説明されます.マントルの部分が露出してしまった理由については不明な点が多く,議論中です.
 士別市温根別五線川上流の河原です.源流部には犬牛別山という,蛇紋岩・かんらん岩・輝岩などの超苦鉄質岩でできている山があり,そこからの転石が多数観察されます.写真は2000年6月に行われた「地学教育ネットワーク」による巡検の際のものです.子供達と研究者がいっしょに蛇紋岩,かんらん岩,斑れい岩などを観察しています.
 士別市温根別五線川林道の角閃岩です.ほとんど「片岩」のように見える緑色の片状角閃岩です.角閃岩は緑色岩(玄武岩)や斑れい岩が変成された岩石で,かつての海洋プレートだったものとされます.この林道では,様々な岩相の角閃岩が観察されます.角閃石の結晶がキラキラしていて,大変美しい岩石です.
 これは,同じく五線川林道の角閃岩ですが,こちらは片状組織はみられず,塊状です.見事な濃緑色の角閃石の結晶がびっしりつまっていて,とても美しい角閃岩です.サンプリングしてみてはどうでしょうか.

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