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国道から見た山です.中央部が採石場となっており普段は入れません.この山から奥の方は全体がエゾ累層群であり,このあたりは中生代白亜紀にはユーラシア大陸の東側の海底であったようです.以前説明した海溝と大陸の間の位置と考えられます
北海道の中軸部(南北に長いゾーン)には,このエゾ累層群が広く分布しています.中川町・穂別町・小平町・三笠市・夕張市などのアンモナイトやクビナガリュウの化石は有名ですが,すべてこのエゾ累層群から産出したものです.温根別でもアンモナイトの化石が少しですが出ていますね. |
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山の中腹です.黒い泥岩と灰色の砂岩がきれいな地層をつくっています.陸で洪水が起きたとき,河川から砂や泥が一緒に海底に流れ落ちて,重たい砂が先に堆積し,後でゆっくりと泥が堆積します.そのため砂と泥が交互になった地層ができあがるのです.こういうのを「互層」といいます.古い地層なのにあまり褶曲していないところは,以前紹介した和寒町東和や剣淵町刈分川などの「付加体」とは大きく違うところです.大陸縁辺ですので,あまり海洋プレートの動きの影響を受けないのです. |
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砂岩や泥岩の他に,真っ白な凝灰岩も見られます.凝灰岩は火山灰が堆積して出来たものですが,近くに火山があったようです.日本(北海道)がまだユーラシア(中国)大陸の横にへばりついていた時代のことです.まだ日本海はありませんでした.そのころ,大陸の東の端に火山列があり,それは現在の礼文島であるといわれています.エゾ累層群はこの火山列から運ばれた砂や泥が中心となってつくられている地層なのです. |
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真っ黒になった植物の化石がありました.木の枝のようですね.火山島に生えていたものでしょう.士別のエゾ累層群にはかなり植物化石がおおいのも特徴です.位置的に火山島に近かったものと思われ,別の場所で私は「イチョウの葉の化石」も発見しました.近く博物館に展示する予定です. |