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前回紹介した露頭の西側,国道40号線沿いの露頭です.塊状(?)玄武岩と泥質岩が観察されます.
春の残雪の時期にこの崖を登っていったとき,頂上に夏毛に変わり始めた野ウサギがいました.ウサギは私に驚いて逃げ出したのですが,30メートルほど走った所で急に止まってしまったではありませんか! 「なんで遠くに逃げていかんのだ?」と思ったら,そこは残雪の場所.そう,このウサギは自分が夏毛に変わり始めたことを知らなかったようです.「自分は白い」と思いこんでいて,白い雪の上でじっとしていたというわけです.思いっきり目立ってました. |
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これは上の写真と同じ場所なんです.高速道路の建設のため,こんな感じになりました.下の方に,刈分川で観察されたような黒色泥岩があります.全体としては火山性の凝灰質泥岩が中心ですが,その中に砂岩のブロックも見られます.海山が噴火の際に表面が崩壊して取り込まれたものでしょうか. |
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ちょっと北の方に行ってみましょう.剣淵町8線です.現在はここもかなり削られてしまいました.タランボがいっぱいあったんですがね.見たところただの風化したボロボロの露頭なんですが,実は..... |
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さて,これがその露頭に見られるものです.写真ではわかりにくいでしょうが,中央に丸い形が見えませんか? これは,枕状溶岩というものです.放射状の節理も見られます.「ミニ車石」といったところでしょうか.
深海底で玄武岩の溶岩が噴出すると,その水圧のために発泡したりせず,ウネウネとチューブ状に流れるのです.そのためいくつも枕を並べたような状態となり,こんな丸い断面が見られるようになります.このあたりでこんなにはっきり枕のように見えるものはここだけです.貴重な露頭なんですが,全く見えなくなってしまいました。 |
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露頭下部のハイアロクラスタイトです.これは噴火の際に周囲の岩石が粉々に砕け散ったものです.海底での激しい噴火が想像されます. |