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ダムの入り口付近です.大きな露頭が連続しています.このあたりに出ている岩石はほとんどが蛇紋岩です.表面が赤茶けていて,割ってみると内部は真っ黒なものが多いです.一般的に蛇紋岩は緑系のものが多いのですが,温根別のものは黒色が多いというのが特徴です.同じ蛇紋岩でも様々な顔つきをしていて,それだけでも結構楽しめますよ. |
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近づいてみました.金網の中に,崩れかかった蛇紋岩が見えます.蛇紋岩というのは割れやすい岩石で,このように道路沿いに出ている場合は崖崩れなどの危険が伴います.実際この道もしょっちゅう閉鎖されています.蛇紋岩帯にトンネルを建設するときは大変らしいですよ. |
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ダムの下の方に見られる露頭です.しっかりとした蛇紋岩がありました.これだけしっかりした蛇紋岩は大変に珍しいものです.ところでこの蛇紋岩という岩石,実はもともと地下数十キロという深いところにある,マントルだったものです.マントル上部はかんらん岩からできていますが,かんらん岩が水と反応してつくられたのがこの蛇紋岩です.「そんな深いところから,はるばるようこそ」って感じですね. |
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上の写真の対岸です.蛇紋岩だらけですね.ここの川はカワエビやカジカなんかがいて,夏はちょっと楽しめます.でも,蛇紋岩って石は川の中では結構ぬるぬるしていて,転んじゃうかも.私も何度もこけましたね.なんでヌルヌルしているのかというと,蛇紋岩は表面が風化して粘土鉱物になっていることと,割れやすいので川の中ではすぐに丸くなってしまうことが原因です. |
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また上の露頭に戻りました.ハンマーを置いてあるところのちょっと上の部分の,色の薄い岩石は閃緑岩という岩石です.その上下は蛇紋岩です.閃緑岩が挟まっているんですね.これは1億年ぐらい前に,蛇紋岩の中に溶岩が入り込んできたもので,溶岩が冷えて閃緑岩になりました.その時の熱で,閃緑岩の周囲の蛇紋岩は変質しています. |
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これは蛇紋岩を薄くして,偏光顕微鏡で見たものです.薄片作成と写真撮影は博物館特別学芸員の石井彰洋さんです.なんだかすごい写真ですね.普通岩石の薄片写真を撮ると,内部に鉱物がキラキラと見えるものなんですが,蛇紋岩はちがいます.この網目模様が蛇紋岩の特徴で,キラキラした鉱物はほとんどありません. |