このコーナーでは,士別周辺の露頭をピックアップして,その様子を紹介して,その見どころやエピソードをお伝えします.いろいろな場所が登場しますので,皆さんも地質調査をしているつもりで楽しんで下さい.以前のこのコーナーに登場したものを見たい人は,このページの下の方から入って見て下さい. |
このコーナーの第25弾は,士別市武徳の大きな緑色岩の山です.武徳の北野商店を通り過ぎて真っ直ぐ行くと,溜め池があります.その横に岩でできた山がありますが,この山,実は中生代の玄武岩でできています.変成を受けた玄武岩で,深い緑色をしており,「緑色岩」と呼ばれています.緑色岩といえば,以前和寒町東和や剣淵町弥栄川のものをご紹介しましたね.あ,忘れてる....?そうですか.これらは中生代白亜紀前期に,海洋プレートの北上と共に海溝に運ばれてくっついてしまった海山だと考えられています.「剣淵はハワイだった」なんて話でしたね.武徳のこの山も,多分同じものだ....と思います. |
こういう山です.山全体が緑色岩の塊です.上まで登ってみましたが,どこもかしこも同じような感じの風化した緑色岩でした.上からバラバラ崩れてくるわ,足下は崩れるわで,ドエライ危険なところです.誰がどう考えても「立入禁止区域」ですね.皆さんは近寄らないでくださいね! 今も山になっているところが,なんとなく昔の海山をイメージさせてくれてうれしいですね.中生代白亜紀の「ハワイ」かな?! |
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ちょっと上の方です.こんな感じでガサガサした岩山です.ただ見ただけでは面白くもなんともないですなぁ.いや,注意深くじっと見てもやっぱり面白くもなんともないですなぁ.地学ってそういうものなんですよ.「これが何なのか」ということがわかって,初めて「オー!」と思うものなんです.1億年以上前,ということを知っているだけでもちょっと見え方が変わります. |
武徳の緑色岩でした.白亜紀のハワイのような海山らしい,ということ意外,何の解説もなくてすみません.実はこの山については,化学分析したりして詳しく調べた人が誰もいないんです.そして,「緑色岩の塊である」ということだけで,剣淵町弥栄川や和寒町東和の緑色岩体のように,いっしょに石灰岩が見つかったり,浅い海底を示す発泡した溶岩があったりということもありません.ですから,最初に「多分海山だ」という自信なさそうな表現になっているんです.ただ、海洋プレートをつくっていた玄武岩であればチャート層がのっているはずだとか、もっと均質でしっかりした玄武岩なのではないかとか、そうしたことを考えるとこのガサガサした緑色岩は海山っぽいなと考えるわけです・・・。 |
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