第 38 回

 このコーナーでは,士別周辺の露頭をピックアップして,その様子を紹介して,その見どころやエピソードをお伝えします.いろいろな場所が登場しますので,皆さんも地質調査をしているつもりで楽しんで下さい.以前のこのコーナーに登場したものを見たい人は,このページの下の方から入って見て下さい.

士別市朝日町岩尾内、柵留林道の斑れい岩(その3) 

 前回に引き続き、朝日町岩尾内の柵留(サックル)林道付近の第3弾です。前回は行者の滝付近のトロクトライトという珍しい斑れい岩をご紹介しました。今回はちょっと地質から離れて、自然観察会で見てきたものをご紹介します。

 今回は特別学芸員の義光康弘さんが、森林鉄道の史跡を案内してくださいました。写真は線路脇にあった玉石を重ねた壁です。対岸のサックル川側にもありました。  義光さんの説明によると、森林鉄道は昭和7年に開通して、昭和35年に廃線となったそうです。朝日町市街地と天塩岳の麓まで、30キロほどを結んでいたそうです。いくつかの支線がつくられ、この日に訪れたのは昭和12年開通の柵留線の廃線跡でした。
 この日は昔の線路をイメージしながら林道を歩きましたが、確かに普通の林道に比べて勾配がゆるかったり、カーブもゆるい感じでした。現在は線路の続いていた似峡市街地も岩尾内湖の湖底に沈んでいます。私の小学校時代の親友(前田君)のお母さんが似峡の出身で、子供の頃から「にさま」という町の話は聞いていましたが、まさかここがその場所だとは、士別に来るまで知りませんでした。そんなことも考えながら、ちょっとしたタイムスリップを体験したような気分でした。
 そんなロマンチックな気分で林道を歩いていくと、このような無惨な風景が・・・・。そうです、平成16年9月8日の台風18号の被害ですね。全道的に木が倒れたりして大きな被害が出ましたが、このへんもやられてしまいましたね。この痕跡はきっと何十年も残るのではないかと思います。森の生き物たちもかなり被害を受けているんでしょうね。喜んでいるのは枯れ木に生えるキノコぐらいかな。ちなみに私の住んでいるマンションは屋根が吹っ飛びました・・・・(^_^;)。
 

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  第1回 剣淵町刈分川の刈分川層 第31回 風連町東生の下川層群
  第2回 和寒町東和の東和コンプレックス 第32回 比布町のエゾ累層群(その1)
  第3回 士別市温根別のマムシ沢 第33回 比布町のエゾ累層群(その2)
  第4回 剣淵町弥栄川の弥栄川層 第34回 比布町北5線の枕状溶岩
  第5回 上士別・朝日町の石灰岩 第35回 士別市九十九山の川西層
  第6回 士別市温根別のエゾ累層群 第36回 朝日町岩尾内の柵留林道の斑れい岩(その1)
  第7回 士別市上士別の花崗岩 第37回 朝日町岩尾内の柵留林道の斑れい岩(その2)
  第8回 剣淵町弥栄川の弥栄川緑色岩体(その1)
  第9回 剣淵町弥栄川の弥栄川緑色岩体(その2)
 第10回 上士別の石灰山(その2)
 第11回 朝日町岩尾内湖の頁岩層
 第12回 士別市温根別ダムの蛇紋岩
 第13回 士別市温根別九線川の下部蝦夷層群
 第14回 士別市温根別ダムの下部蝦夷層群
 第15回 和寒町東町の凝灰岩
 第16回 朝日町ケナシ川の似峡層
 第17回 朝日町八線の貝化石
 第18回 朝日町八線の貝化石(その2)
 第19回 朝日町八線の貝化石(その3)
 第20回 朝日町糸魚小学校の所蔵資料
 第21回 士別市温根別中線川の中部蝦夷層群(その1)
 第22回 士別市温根別中線川の中部蝦夷層群(その2)
 第23回 和寒町東丘の美深層
 第24回 剣淵町12線の多寄層(その1)
 第25回 剣淵町12線の多寄層(その2)
 第26回 士別市武徳の緑色岩
 第27回 士別市温根別の角閃岩(その1)
 第28回 士別市温根別の角閃岩(その2)
 第29回 朝日町北線の奥士別層(その1)
 第30回 朝日町北線の奥士別層(その2)