第 45 回
士別市朝日町朝日橋の黒色頁岩

 このコーナーでは,士別周辺の露頭をピックアップして,その様子を紹介して,その見どころやエピソードをお伝えします.いろいろな場所が登場しますので,皆さんも地質調査をしているつもりで楽しんで下さい.以前のこのコーナーに登場したものを見たい人は,このページの下の方から入って見て下さい.

 今回は,朝日町の朝日橋の下に観察される日高累層群の黒色頁岩層を紹介します。朝日橋は朝日町市街地から南方に向かう道を行くと天塩川本流に出ます。これを渡る橋が朝日橋です。天塩川上流の穏やかな流れが広がり,とても美しい場所です。河原に降りてよく見てみると・・・・?
 朝日橋の東側から河原に降りる道があります。本当に素晴らしい河原だと思います。上流域なのですが,地形が平坦なために,朝日町の流域は比較的穏やかで,この場所のように蛇行しているところがあります。この風景を見るだけでも十分に心が満たされます。本当に朝日町というところは美しいところです。
 写真の右下に写っているのが日高累層群の黒色頁岩層です。中生代白亜紀後期の地層で,かなり深い海底に堆積した泥だったものです。
 川の流れで磨かれ,黒色頁岩の表面はツルッとした感じになっています。ぬれているときは滑って危ないですね。何度か転びそうになったことがあります。「何度か・・・って?そんなに行ったの?」と言われそうですが,子供達と魚釣りに行ったりユキノシタを取りに行っていたもので・・・(^.^;) そんなには釣れませんが,小さなニジマスとウグイが一緒に泳いでいます。釣りを楽しむというよりは,ここにいることを実感したくて川に入る,というところでしょうか。
 黒っぽくてわかりにくいですが,よく見ると「地層」らしくしっかりとした層が見えます。こうした単調な地層が延々とオホーツク海まで続いているんです。西興部のあたりの河原にはかなり大きな露頭もあります。多分オホーツク海の海底にもずっと続いていることでしょう。白亜紀後期の海溝に付加していった深海底の泥岩ですが,東側(オホーツク海側)ほど新しい地層となっており,上士別〜朝日町の地域には日高累層群の一番古い部分が出ているのです。
 地質学的にも,レジャー的にも,憩いの場所としても大切な場所ですが,こうした静かな場所にもやっぱりあるんです・・・ゴミ・・・。何とかならないものでしょうかね。朝日町はおそらく日本有数の美しい町だと思っているのですが・・・。

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