今回は,朝日町の南部の「ペンケヌカナンプ川」という小さな川に見られるチャートの露頭を紹介します。 |
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朝日町南部の朝日橋を渡り、三栄の方に向かうと道沿いにはペンケヌカナンプ川が流れています。正確な位置を忘れてしまって申し訳ないんですが、少し南方に走ると、すぐに河原に降りられる場所があります。そこには非常に目立たないのですが、赤いチャートが細かな地層をつくっているのが観察できます。写真のように、赤いチャートと白いチャートが縞模様をつくっています。チャートは何度も紹介しましたが、こんなにきれいに層状になっているものはなかなか観察できません。
チャートは4000mよりも深い深海底に積もった「放散虫」というプランクトンの遺骸ですが、その堆積速度は大変に遅く、チャートの形成に換算すると、1000年に2〜4mmくらいだそうです。この露頭では1mほどが見えていましたので、計算すると・・・なんと、25万年〜50万年かかっていることになりますね! |
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これは層状チャートの露頭のすぐ下に、断層で接している露頭なんですが、どうもきれいな地層のようにはなってませんね。角張ったチャートの破片がグチャグチャと入っています。もとは深海底の堆積物ですから、きれいな地層だったはずですが、どうしてこんな風になってしまったのでしょうか? 海底が移動して海溝にチャートの地層が付加したときにグチャグチャになったか、あるいは以前紹介したように、海溝の壁が崩れたときに、このチャートの地層を崩したか・・・。いろいろな仮説を考えることができます。1億年以上前の深海底の出来事、皆さんも想像してみては? |