さて、士別市と朝日町が合併して、士別市と下川町は「隣町」となったわけですね。メインのホームページでは下川町の地質紹介もあるわけですが、下川町は名寄市の北国博物館のエリアに入るので、取り上げるのを控えてきましたが、隣町なら堂々とやれますね。しかも今日ご紹介するのは、朝日町と下川町の境界に比較的近い露頭です。 |
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朝日町西部の登和里からは下川町に向かう道路があります。両町(おっと、もう両町ではないが)の境界を越えて下川町に入り、ややしばらく行くと「かんすい橋」があり、その先1kmのところの道路右側に写真のような玄武岩の露頭があります。道沿いにはペンケ川が流れており、大変美しい風景です。この露頭には崩落防止用の金網が張ってあるため、撮影などはしにくい状態ですが、玄武岩は下の方にちょっとだけ崩れたものがあるのでそれを採取しました。 |
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これは玄武岩です。玄武岩という岩石の名前をご存じでしょうか。中学校や高校の教科書にはのっていますが、日本ではあまり一般的ではない岩石なので、「見たことがない」という人が多いのではないでしょうか。簡単に言うと、「黒い溶岩」という感じの岩石です。あまり鉱物のツブツブとかが見えなくて、ただの黒い石なのですが、溶岩だけあってハンマーでたたいても硬くてなかなか割れません。
この下川町の玄武岩、「下川層群」という地層の最下部付近にある溶岩で、約1500万年前のものであることがわかっています。1500万年前というと・・・・すでにこのコーナーでもご紹介してきたとおり、士別市や朝日町や剣淵町で貝化石が見つかった時代ですね。そう、地球温暖化の起きた時代です。そのころ、下川町では浅い海底で溶岩が吹き出す火山活動があったのです。(つづく) |