士別市温根別市街地南部の採石場に見られる地層,「エゾ層群」を紹介します。実はこのコーナーが始まったばかりの頃にすでに紹介している場所です。昨年と,この6月に行ってみたところ,いろいろとご紹介したいことが増えましたので,あらためて掲載させていただきます。 |
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これが採石場の山の中腹あたりに見られる,エゾ層群です。採石場は立ち入り禁止ですが,この日は士別市立博物館の講座の,地質見学会のために特別に許可をいただき,観察することができました。
エゾ層群は何度もご紹介したとおり,中生代白亜紀の海の地層で,砂岩と泥岩を中心とした地層です。写真のように,厚い砂岩の地層と,薄い泥岩の地層が交互に積み重なっています。こうした地層を,「砂岩泥岩互層」といいます。 |
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近づくとこんな感じです。なかなか迫力があります。1億年近く前の地層ですので相当硬く,ハンマーで割るのも大変です。地層が斜めになっています。もともと地層は水平だったはずですが,その後の地殻変動によって傾いたものです。日本は地殻変動が非常に多い地域ですので,このような地層はめずらしくはありません。地殻変動の大きな力を受けると,地層は大きく曲がったり(褶曲),割れてずれたり(断層)しますが,この採石場の地層はあまり大きく曲がったり,ずれたりはしていませんでした。
さて,中生代白亜紀の海底でつくられたというこの地層,そのころ,このあたりはいったいどんな環境だったのでしょうか。次回はそのナゾにせまりましょう。 |