士別市温根別市街地南部の採石場に見られる地層,「エゾ層群」の第4弾です。本日は,この地層がつくられたときに,近くにあったとされる陸上の火山の正体に迫ります。 |
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さて,士別市立博物館の地質見学会の参加者が,こんなものを見つけましたよ。写真ではわかりにくいですが,砂岩の中に真っ黒に炭化した植物化石の破片がたくさん入っています。植物の茎,葉などのようですが,種類まではわかりません。このようなものがたくさん発見されました。 |
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これは,さっきのような植物化石の破片がはいった泥岩を薄片にして,顕微鏡観察したものです。製作はもちろん特別学芸員の石井彰洋さんです。縞模様や細胞のようなもの(細胞壁)が見え,植物化石の破片であることがよくわかると思います。 |
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これは極めつけ!なんと石炭です。石炭は植物が炭化したものですね。これも博物館地質巡検に参加した子供達が発見したものです。エゾ層群は海底でできた地層なのに,この露頭では植物の化石ばかりが出てきます。「本当に海の地層なの?」という疑問も湧いてしまいますが,実はわずかに1個だけ,ここの露頭で小さなアンモナイトの化石も出ています。やっぱり海の地層なんですね。
さて,植物化石がたくさん出てきて(温根別北線では,樹木やイチョウの葉の化石も出ています),このあたりの中生代の海は,非常に陸から近かった場所だったということがわかります。砂岩の砂粒の形からわかったことと同じですね。火山灰が流れてきたような場所なわけですから,この石炭などの化石となった植物は,どうやら火山島の周辺に生えていた植物のようです。また少し昔の環境がわかってきましたね。 |