このコーナーでは,士別周辺の露頭をピックアップして,その様子を紹介して,その見どころやエピソードをお伝えします.いろいろな場所が登場しますので,皆さんも地質調査をしているつもりで楽しんで下さい.以前のこのコーナーに登場したものを見たい人は,このページの下の方から入って見て下さい. |
士別市温根別市街地南部の採石場に見られる地層,「エゾ層群」の第5弾です。だいぶわかってきた1億年前の温根別の環境,しかし,またまた発見が! |
これは,またもや士別市立博物館の地質見学会の参加者が見つけた,大変に不思議なものです。砂岩の中に,別の砂がパイプ状につまっています。これはいったい何でしょうか? 実はこれ,「サンドパイプ」というもので,昔の生物が海底の砂に穴を掘って生活していた跡なのです。写真はその断面を見ているということなんです。どんな生物が砂に穴を掘って生活していたのでしょうね。その正体はわかりませんが,1億年前の火山島の周辺の浅い海底にいた生物ということですね。 この温根別の露頭には,このようなサンドパイプがときどき見つかります。でも,こんなにはっきりとわかるりっぱなものはなかなか見つからないので,発見者にたのんで写真を撮らせていただきました。このサンドパイプの大きさから,比較的大きめの生物が海底の砂に穴をあけて棲んでいたことがわかります。 一般に,砂岩や泥岩などの地層の中には,サンドパイプの他にも,生物が海底をはい回った跡とか,足跡とか,古代の生物の残したいろいろな生活の跡が発見されることがあります。このような,昔の生物の生活の跡が地層中に残されたものを,「生痕化石」といいます(第33回,比布町のエゾ累層群でも紹介)。そういうものもりっぱな化石なんですね。生痕化石の代表的なものとして,北海道では見つかっていませんが,恐竜の足跡の化石などがあります(富山県や福井県)。士別市立博物館では,比布町で発見された,「深海底の泥の上を生物がはい回った跡」の生痕化石が展示されていますよ。生活の痕跡から,昔の生物の生活の様子を想像してみるなんて,とってもおもしろいことですね。 |
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